2013年09月26日

楽天、悲願の初優勝

2005年3月27日、0-26で終わったあの日の試合を見た人達にとって、今日の試合はどう見えたのだろう


2004年に球団創設、2005年のシーズンからパリーグのチームとして参戦していた東北楽天ゴールデンイーグルスが、球団創設9年目にして初の優勝を果たしました。

楽天設立までの道のりは非常に険しく、厳しいものでした。
近鉄の消滅に伴う球団再編の過程で、当時勢いのあったライブドアとの誘致競争の末に生まれたのが楽天でした。しかし、選手は近鉄・オリックスとの分配ドラフトだったものの、オリックスに極めて有利に仕組まれていたこのドラフトでは主力となる選手はほとんど獲得できず、岩隈選手のようなオリックス入団拒否組、他球団で戦力外になった選手(現中日の山崎武司選手など)をメインに何とか組み立てるというふうでした。

しかし、2代目監督になった野村克也さんが地ならしを行い、選手を地道に育てた結果、2009年に球団初のクライマックスシリーズに進出(リーグ結果は2位)を果たしました

その後、ブラウン体制で一時停滞したものの、星野監督になってからは徐々に投打が安定
今年は田中将大選手が覚醒したことで大きな勝ち越しが発生。夏以降は独走態勢を取り、遂に今日優勝したのでした。


今日の試合は、楽天の苦労の歴史を物語ったものでした。
序盤に押し出しで得点したものの、先発の美馬選手が大誤算。西武打線の一発攻勢で逆転されてしまいます。
西武優勢のまま迎えた7回表に大きなドラマが待っていました。
聖沢選手が四球で出塁し、岡島・銀次選手の安打で何とか2死満塁になったところで、得点圏に強いAJことジョーンズ選手がセンターオーバーの走者一掃のタイムリーで逆転
西武の猛攻も、昨日危険球退場になったハウザー選手が再度登板不安定なピッチングながらも要所を押さえ、何とか8回途中まで持ちこたえました(ハウザー選手は肩の違和感で降板)。
8回の残りはベテランの斉藤選手が抑え、9回はこれまで無敗の田中選手が(星野監督の意向を受けて)登板しました。半ばスクランブル登板のような中、ヒットなどで1死2・3塁に追い込まれてしまいました。しかし、ここからが今年の田中選手の真骨頂。残りの打者を速球でねじ伏せ、見事優勝に導いたのです。


東日本大震災以降、東北の被災者に夢と希望を与えるために必死になって戦ってきた楽天。2年越しの夢がようやく叶いました。苦しいこと・辛いことが多い中、楽天の活躍はこの地域の人達にとってどれだけ救いになったことでしょうか。同じくサッカーのベガルタ仙台など東北地方にあるJリーグのチームも一生懸命東北を盛り上げようと戦っていましたけれども、まずは楽天が東北の復興への鏑になってくれました


戦力は整ったとはいえ、まだまだクライマックスシリーズ・日本シリーズと気の抜けない戦いが続きます。特にクライマックスシリーズではポストシーズンに異常に強いロッテとの対戦は避けられないものと思われます。まずはじっくりと腰を据えて戦力を再分析し、ロッテの出鼻をくじいて勝機を呼び込むような戦いをしていかなければならないでしょう。


最後に、楽天の皆様、改めて初めての優勝おめでとうございます。決まった瞬間、ファンでなくとも涙が出て来てたまりませんでした。
また混戦のパリーグをより面白くしていけるよう、これからもいつまでも強い楽天であって下さい。


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Posted by alexey_calvanov at 23:29Comments(0)TrackBack(0)