懐かしアニメ評論集、5回目は「機動戦士ガンダムSEED」です。
この作品は2002年放送なので、当初私が設定した定義とは少し外れるんですけど、紹介しようと思ったのは、こんな理由があるからなんですよ。
実は、名古屋では火曜深夜にメ~テレで「機動戦士ガンダム」を、木曜深夜にテレビ愛知でこの作品を放送してるんですね。つまり、新旧のガンダムを同時に楽しめるという機会が与えられたというわけです。確かBS11(日本BS放送)やTOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)でも達成していないんじゃないかなと。放送される局が違うとはいえ、この偉業は大きいですな。
あらすじはこう(以下PCではイタリック体で表記)。
コズミック・イラ70年、主に地球に住むナチュラル(遺伝子操作をされていない人類)と同じくスペースコロニーに住むコーディネーター(遺伝子操作によって生まれた人類)との間に起こった戦争は、農業用プラントに核ミサイルを撃ち込まれるまでに激化。地球側優勢で進んでいた戦争も、スペースコロニーを治める軍事組織ザフトの抵抗により膠着化し、はや開戦から11ヶ月を過ぎようとしていた。
主人公は、中立のスペースコロニーに学生として在籍している少年。しかし、そこでは地球側の新型モビルスーツ5機建造され、それを確認したザフトの一部隊の独断で動いた軍事作戦(ガンダム強奪作戦)を働いたことで、苛烈な戦闘に陥ってしまった。
この戦闘で、5機の新型モビルスーツのうち4機が強奪されるのだが、避難中に戦闘に巻き込まれた主人公は、かつての友人と戦場で再会する。敵同士に分かれて・・・。
というふう。
今回はハイデフ化されたリマスター版だったので、2002年当時とは違い映像はきれいなんですけど、ところどころ絵のパース(特に顔)に違和感が(苦笑)。まぁ、作品の内容が緊迫感を帯びていたので、違和感を感じたのは主人公の登場シーン、偽りの平和に溺れていた時なのよね。
ところで、この作品は過去のガンダムシリーズのオマージュが隠されているのではと思っておりまして。
序盤のガンダム強奪のシーンは、前回紹介した「機動戦士ガンダム」の初回を彷彿とさせますし、強奪に成功するのは、「機動戦士ガンダム0083」のワンシーンに倣ったんでしょう。他にも、この回では登場しませんが、地球至上主義の存在は、「機動戦士Zガンダム」のティターンズを思わせるものになっております。もちろん民間人が戦闘に参加する、その民間人がコーディネーター(ニュータイプ)という存在なのは、「機動戦士ガンダム」のアムロがモデルでしょう。
オマージュだらけと言えばそれまでですけど、過去のガンダム作品に敬意を払った、新しいガンダムのスタートを色濃く見せた作品だったんだなと、初回を見る限りでは思いますね。もちろん、この先展開が進むにつれて、オリジナリティを発揮していくのですけど、時折過去のガンダムシリーズで出てきた事象を上手く絡めて、作品に奥深さを与えてるんですよね。
つくづく、劇場3部作とかでコンパクトな形で公開されなかったのが残念でなりませんね。そのへんも「機動戦士ガンダム」や「機動戦士Zガンダム」みたいに人気作になっただろうに・・・。