2011年10月25日

壮大な社会実験 その結末は・・・ 中編

10/21~10/23に行われた「ちょい乗りバス」と10/23に行われた栄交差点~矢場町交差点の大津通で行われた歩行者天国、双方の社会実験について書いていく中編。
中編では歩行者天国について。


栄交差点~矢場町交差点の歩行者天国は、河村市長の肝いりで行われたもの。確か、先月にも歩行者天国が行われ、今後も月1回以上の社会実験を経て、この区間の歩行者て谷を実施するか否かを決めていくのだと思われます。

この歩行者天国の目的は栄・矢場町地区の活性化。
それまでの中心は名駅と栄でバランスを保った状態、ないしは栄地区の方が優勢な状況でしたが、セントラルタワーズ完成以降、特にここ数年は名駅地区の再開発で名古屋市の中心と活力が名駅に奪われる傾向が強くなっていました。
そこで、かつてのにぎわいを取り戻そうということで、河村市長は栄地区のテコ入れを考えていました歩行者天国実施の前には、広小路通(名駅から栄を経由して東山公園に向かう通り)の歩道の幅を広げようとする案を出していましたが、議員や有識者の反対で実施できなかった経緯がありました。
そこで、歩道を広げるのではなく、歩道を一時的に作るという発想で、歩行者天国にしたのでしょう横の広小路通を潰すよりも、並行して100m道路(久屋大通)が走っている大津通を潰して行えば、矢場町も活性化して相乗効果が狙えるのではないか・・・という発想で行われたのでしょう。


しかしこの歩行者天国というのは、思いのほか面白みのないもので・・・
アキバの歩行者天国に行った人はわかるかと思いますが、イリーガルな部分はあるとはいえ、通りにはストリートパフォーマーが随所に現れ、自己表現の場になっていました。また、他の地域の歩行者天国では、露店や屋台が出て、飲食も楽しめるものになっていました
ところが、今回行われた歩行者天国はそういったものは一切なしあってもレストスペースが数か所あるだけで、基本ただ歩くだけのものになっていました。
それでも、物珍しさも手伝ってか大勢の人が、ただ歩いていました何もするわけでもなく、本当にただ歩くだけです。
確かに自転車に乗っての移動禁止(降りて進むことが徹底された)やパフォーマー行為の禁止もあるがゆえに、こういう無味乾燥なものになってしまったのでしょうが、これでは先行きが思いやられるなと。
街の活性化を促したいのならば、少しでも地域の活性を促せるだけのアクションを起こさなければならないのではないかと。
例えば、パフォーマーは禁止するのではなく、警察など所轄の許可をもらった人達が特定の場所で行うのであれば、盛り上がりの一助になるのではないかと思うし、露店や屋台も積極的に出していけば、それだけでも地域の活性化に繋がるはず出せる店をその地域で店舗を出している店のみにするのであれば、その恩恵を濃厚に受けられるのではないかと思います。


歩くだけでは盛り上がりません。もっとその先を考えた盛り上げをしないと、ただ道を塞いだだけになるのではないのでしょうか
全く河村施策は詰めが甘いと思わされた一つの事象と相成りました。


さて、次回は「ちょい乗りバス」の問題点をコメントしていこうと思います。


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Posted by alexey_calvanov at 23:40Comments(0)TrackBack(0)

2011年10月24日

壮大な社会実験 その結末は・・・ 前編

10/23、私自身思うところがあって名古屋の中心地に向かうことになりました


少し横道にそれますが、今回の話とからむことなので。

今週末は名古屋にとって重要な事象がいくつかありました。
まずは、「名古屋版事業仕分け」
10/21~1023までの間に、1331ある名古屋市の事業のうち、31の事業に対し、継続か見直しか、はたまた廃止かを市民が選定するというもの。とはいっても、市民は事業の担当者と専門家のやり取りを聞いたうえで判断するというものですが。
この事業仕分けは都合で見に行けませんでしたが、名古屋市民にとっては重要な事項の一つ「敬老パス」が審議されるというので大きな話題になっていました

もう一つは、今回向かうきっかけにもなった「ちょい乗りバス」
現在、栄から大須までは地下鉄・市バスといった交通機関はあるものの、目的の場所まで行くのに時間がかかる、駅や停留所から遠い、ダイレクトに行けるルートがないということで少々不便ではあります。実際、私が栄から大須へ向かう際にも、歩いていくことが多く、場所によってはかなりの距離があります
ちなみに、私の足でですが、栄の中心地である栄交差点(地下にクリスタル広場のある場所)から大須の東端である万松寺(ばんしょうじ)商店街(大須301ビル)までは約20分、大須の西端である大須観音までは約30分~40分くらいと思います(後者の時間は大須商店街を突っ切った場合)。ただ、大須観音までは地下鉄でいくことが可能で、東山線と鶴舞線を利用して3分(乗り換え時間などを入れて10分かかるかどうか)で向かうことができます


閑話休題。


そこで、栄周辺で利用者の多い場所と大須周辺で利用者の多い場所を結べば利便性が高まるのではと考慮され、今回社会実験で行われたのが「ちょい乗りバス」名古屋版事業仕分けと同様10/21~10/23の10:00~18:00まで行われていました。
最大の特徴は無料である点と10分おきの間隔で運行されているという点。このバスが頻繁に運行することで、栄と大須の地域を活性化していこうというのが趣旨になっているわけです。


PA0_0574これが今回行われた「ちょい乗りバス」の停留所。
恐らくベニヤ板で作られたものと思われます。
そこにアンケートを持ったボランティア(案内人)が立ち、色々と説明したり、乗車券代わりの紙を渡します



PA0_0575停留所を正面から見たもの。
栄ラシック前を起点に反時計回りで1周するというふうになってます。その間、大須以外にも伏見(科学館・美術館)や矢場町(パルコ東館・松坂屋本館)も経由します。
ルートの詳細は後編で詳しくできればと。



PA0_0577今回乗車したバス。
バスは名古屋市営バスではなく、三重交通のバスをリースしたものになっています。白子→鈴鹿サーキットの運賃が書いてあった紙が貼ってあったので、もしかすると三重県からわざわざ来た模様。
中は専門学校名古屋ビジュアルアーツ写真学科の生徒が撮影した栄・大須地区の写真が掲載されていました(バスによって違う)。またバスガイドが1人乗車券回収を兼ねて乗っており、カンペ片手に『名所案内』をアナウンスしていましたこれを行っていたのは名古屋観光専門学校の生徒だそうで。
なお、1台だけアーティストが歌と音楽でお出迎えしたそうですが・・・。
このあたりは後編で色々言いたいと思います。



さて、乗車しようと思い待っていたものの・・・待てど暮らせどお目当てのバスが来ず。こうなった理由は・・・。


PA0_0582実はこの日は、同じく社会実験で展開中だった大津通の歩行者天国が実施されていたため
そのため、周囲の道路は大渋滞これがバスの運行に大きな影響を与えていたのでした。
この歩行者天国にも言いたいことがありまして・・・。これは次回触れていこうと思います。



そんなこんなでバスが来たのが午後2時半頃いざ乗り込もうと思ったら、今度はタダということで大勢の人が乗ってぎゅうぎゅう詰め・・・。このバスには、スカイル前で乗った私は何とか乗車できましたが、その次の丸善前では大きく乗り残しが発生するという事態になりました。
しかも、先述の通り、大渋滞。そのため、丸善前の次になる科学館東に向かうまでは、この大渋滞にハマってしまい大幅なタイムロスに陥るのでした

その後も、違法駐車に四苦八苦するバス。乗車数も多いため、乗っていた人達の中にも不満があったのではないかと思います。あまりにも混み合って降りるのにも困ったくらいですから。
それでもなお、ガイドは平然と座れるのだから大したものです。まぁ、書類をまとめるためのスペースが必要なのはわかりますが・・・。

あまりの混乱ぶりに、しまいには「大津通に入るとまた渋滞になっているという情報があるので、途中で降りて行った方がいい」とか「かなり混み合ってるので、詰めて乗って」という事態。何だか本末転倒なような・・・。


ちなみに、目的地に定めていた大須301前に着いたのは乗ってから約40分後(普通は恐らく12分くらいかと)普通に行くのより倍かかっていました。しかも、今回の乗ったバス、循環するのに1時間~1時間半かかる(通常は恐らく30分くらいかと)とまでのたまったくらいですから、いかに今回の渋滞が酷かったことがわかります。無料ゆえに許されたものの、これが有料だったらと思うと・・・。


この後、松坂屋本館に向かうためにもう一回乗ったのですが、この時は15分ほど(普通は恐らく6分くらいかと)かかっていました
松坂屋からは帰り歩いて家まで帰ったのですが、大須301までなら歩く時間と変わらなかったのは何とも皮肉なものです。混んでいたとはいえ。


とまぁ、この「ちょい乗りバス」、燦々(さんさん)たるものだったのですが、どうしてこうなったのか、これは後編で触れていきたいと思います。そして歩行者天国についても言いたいことがあるので、次回は歩行者天国に関して触れていこうかと思います。


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Posted by alexey_calvanov at 23:59Comments(0)TrackBack(0)