10/21~10/23に行われた「ちょい乗りバス」と10/23に行われた栄交差点~矢場町交差点の大津通で行われた歩行者天国、双方の社会実験について書いていく中編。
中編では歩行者天国について。
栄交差点~矢場町交差点の歩行者天国は、河村市長の肝いりで行われたもの。確か、先月にも歩行者天国が行われ、今後も月1回以上の社会実験を経て、この区間の歩行者て谷を実施するか否かを決めていくのだと思われます。
この歩行者天国の目的は栄・矢場町地区の活性化。
それまでの中心は名駅と栄でバランスを保った状態、ないしは栄地区の方が優勢な状況でしたが、セントラルタワーズ完成以降、特にここ数年は名駅地区の再開発で名古屋市の中心と活力が名駅に奪われる傾向が強くなっていました。
そこで、かつてのにぎわいを取り戻そうということで、河村市長は栄地区のテコ入れを考えていました。歩行者天国実施の前には、広小路通(名駅から栄を経由して東山公園に向かう通り)の歩道の幅を広げようとする案を出していましたが、議員や有識者の反対で実施できなかった経緯がありました。
そこで、歩道を広げるのではなく、歩道を一時的に作るという発想で、歩行者天国にしたのでしょう。横の広小路通を潰すよりも、並行して100m道路(久屋大通)が走っている大津通を潰して行えば、矢場町も活性化して相乗効果が狙えるのではないか・・・という発想で行われたのでしょう。
しかしこの歩行者天国というのは、思いのほか面白みのないもので・・・。
アキバの歩行者天国に行った人はわかるかと思いますが、イリーガルな部分はあるとはいえ、通りにはストリートパフォーマーが随所に現れ、自己表現の場になっていました。また、他の地域の歩行者天国では、露店や屋台が出て、飲食も楽しめるものになっていました。
ところが、今回行われた歩行者天国はそういったものは一切なし。あってもレストスペースが数か所あるだけで、基本ただ歩くだけのものになっていました。
それでも、物珍しさも手伝ってか大勢の人が、ただ歩いていました。何もするわけでもなく、本当にただ歩くだけです。
確かに自転車に乗っての移動禁止(降りて進むことが徹底された)やパフォーマー行為の禁止もあるがゆえに、こういう無味乾燥なものになってしまったのでしょうが、これでは先行きが思いやられるなと。
街の活性化を促したいのならば、少しでも地域の活性を促せるだけのアクションを起こさなければならないのではないかと。
例えば、パフォーマーは禁止するのではなく、警察など所轄の許可をもらった人達が特定の場所で行うのであれば、盛り上がりの一助になるのではないかと思うし、露店や屋台も積極的に出していけば、それだけでも地域の活性化に繋がるはず。出せる店をその地域で店舗を出している店のみにするのであれば、その恩恵を濃厚に受けられるのではないかと思います。
歩くだけでは盛り上がりません。もっとその先を考えた盛り上げをしないと、ただ道を塞いだだけになるのではないのでしょうか。
全く河村施策は詰めが甘いと思わされた一つの事象と相成りました。
さて、次回は「ちょい乗りバス」の問題点をコメントしていこうと思います。