既に愛媛FCがJ3降格を決めていた中、16位のロアッソ熊本、17位のカターレ富山、18位のレノファ山口FCで残り1枠の残留を巡っての激しい争いを見せていました。中でも富山は、単純に勝つだけでなく、3点以上取らないといけないという過酷なミッションを成し遂げないとJ2残留を果たせずにいました。
そんな過酷なミッションを成し遂げるために、ホームでブラウブリッツ秋田と戦うことになりました。一方で熊本も16位維持のためにホームでヴァンフォーレ甲府と戦いました。
逆転での残留を賭け、前半から富山は攻勢を掛けてとばしたものの、秋田の堅守に阻まれ、無得点で後半を折り返します。
一方で熊本も甲府の攻守にわたる積極的なプレーに翻弄され、点を奪えないまま、こちらも無得点で後半を迎えました。
後半も富山が死に物狂いで戦かおうとした早々に、甲府のペナルティエリアで選手が倒されたことでPKを獲得。後半8(53)分に決めて先制。続けざまに追加点を挙げたものの、そこから先は秋田に1点返され、勝てたとしても残留に至れない可能性が立ちこめていました。
一方の熊本も均衡を破れず、もどかしい展開だったものの、恐らく富山の状況を把握していたと思われたのか、楽観視していた部分もあったようで、スコアレスドローで試合が終わった時も、一部の選手がガッツポーズを取っていたほどです。
しかし、富山はあきらめていなかった。アディショナルタイム突入直前から驚異的な粘りを見せたのです。
後半44(89)分にはシュートが相手選手に跳ね返ることで入り、後半45(90)+3分には相手のロングボールを自陣(いわゆる高い位置)で奪い取って、カウンターアタックを展開。最後は相手選手に倒されそうになりながらも蹴り込んだ球が入り、4-1で奇跡のミッションを達成したのです!
この結果に伴い、熊本は一転して山口と共にJ3降格が決定。その責を取ってか、大木武監督が退任することとなりました。
恐らく今年の、いや日本サッカーの歴史に大きく残るであろうこの試合、ホームの地の利だけでは語れない何かが動いたと思います。全ての人達の想いが、富山の選手達に乗り移り、後押ししてくれたのかもしれません。
正直、富山は降格枠の中から抜け出せないとばかり思っていました。念ずれば開くというのを改めて感じました。おみそれしました。そして、降格だと思い込んで申し訳ないです。
しかし、富山は来年も厳しい戦いを強いられるかもしれません。紙一重で勝ち残ったのですから、来年迎える百年構想リーグ(特別大会)で十分に戦力を整え、来年秋(8月)から始まるリーグ戦に向けて戦えるチーム作りを求められると思います。驚異的粘りは、いつも出せるわけではないと気を引き締めて、来年のチーム作りをしていってほしいものです。