来年からJ3(Jリーグ)で活動する高知ユナイテッドSCは、監督だった吉本岳史さんが退任し、後任の監督には、今年Jリーグを退会になるいわてグルージャ盛岡の社長兼オーナーだった秋田豊さんが就任することを発表しました。
はっきり言って悪手じゃないのかと言いたくなる人事で、不可解だという人がいるのもわからないわけではないです。ただ、吉本元監督が退任になるのが不可解というのは、お門違いなんですね。
というのも、吉本元監督は、アルビレックス新潟のヘッドコーチ就任が日刊スポーツにすっぱ抜かれたこともあって、仕方ない部分もあるんです。不可解では無くて当然の成り行きなのかなと。ただ、高知としては、ほぼ急に決まったこと(それでも高知のフロントには話をしたんだとは思う)なので、人選に苦労したんじゃないかとは思います。あとは資金面でも苦労したんじゃないかとも思うんです。いい監督を引っ張り出したかったんでしょうけど、既に他に決まっていたり、高かったりと折り合いが付かずに、結果秋田さんになったという見方もできなくはないです。
正直、監督業としてパッとしなかった、盛岡を一度J2に押し上げたとはいえ、悪い成績面が悪目立ちしている状況を考えると、個人的には監督に迎えるのはバクチだと思うんです。しかもJリーグに入ったばかりのチームがやるべき手段じゃない。
じゃあ経営者として呼ばれた可能性があるのかというふうにも考えてしまいそうで・・・。そう思ったのは、山本志穂美社長兼オーナーの体力面の問題じゃないかなと。今は監督として秋田さんを迎え、しばらく高知の現状と課題を見てから、徐々に社長としてやってもらおうという考えがあるのかもしれません。
山本社長は先述の通り、高知のオーナーとしても活動しており、元々は寮母(選手達の食生活をサポート)やアスリートフードマイスターとして活動していました。さらに、旦那さんが立ち上げた自動車販売会社であるバイエルンオートの取締役にも就任しており、現在息子さんが社長になっているようですけど、その活動のサポートも行っているのではないかと思われます。そうなると、クラブ業・選手のサポート・自分の会社の業務とかなりの多忙な状況になっており、睡眠時間が3時間ほどしかないというコメントがあったのを覚えているので、社長の負担を減らすために、数年後をメドに秋田さんに社長就任をお願いしているのではとも。
もちろん、観客動員数の少ない高知にお客を呼ぶために、秋田さんを呼んだこともあるのでしょう。サッカーを知らない人でも秋田さんなら知っている人もいらっしゃるのではないのでしょうか。その人達への取っ掛かりで・・・というのもあるはず。ただ、サッカーを知らない人なら効果があっても、サッカーを知っている人への逆効果の方に傾かないか心配でもあります(前述の成績面や経営面で)。
まずは、高知の人達に信頼される人になるべきだと思います。そうなると成績面で見せなければならないと思います。秋田さんを支えられる参謀を迎えられるかが、今後の焦点になるでしょうね。選手を呼ぶのは、かなり困難だと思うので・・・。