2016年02月05日

ハコものは後先考えて作らないといかんわけで

先日、愛知県は中部国際空港のある空港島の一角に国際展示場を建てる計画が持ち上がりました。当初は日本最大の国際展示場である東京ビッグサイト(8万平方メートル)を越える10万平方メートルを計画していたものの、事業費・建築費・運営費(維持費)の関係で6万平方メートルになるそうです(実現すれば、東京ビッグサイト・幕張メッセ・インデックス大阪に次ぐ4番目の規模になる)。
開業は2019年を予定しているとのこと。この時期というのは2020年の東京オリンピック前にあたり、その頃には関東圏で施設不足が指摘される「2020年問題」に対処するためと言われています。またオリンピック後にも愛知県が誘致を目指しているフットサルワールドカップ(2020年)・技能五輪大会(2021年ないしは2023年)・アジア大会(2027年予定)の会場として利用しようと画策しているようです。なお、国際展示場としての利益維持のためには、定期的に4万平方メートルクラスのイベントを開催しないといけないのだそうです。


と、ここまで来れば、そのまま決まってくれればいいよね・・・と丸く収まるのですけれども、そうならないのが愛知県(苦笑)。名古屋市でも最大10万平方メートルクラスの国際展示場建築計画を愛知県と共同で進めようとかねてから話していたのです。
場所は名古屋港のポートメッセなごやと空見ふ頭にある東邦ガスの土地の一部(10万平方メートルほど。当初は稲永ふ頭で計画していたものの、現在建っている企業の移転計画が上手く進まずにとん挫し、空見ふ頭に移った経緯がある)。空見ふ頭の5万平方メートルとポートメッセなごやの3万3000平方メートルと新規部分を合わせた4万平方メートルという組み合わせになるそうですが、まだ交渉中ということで進展が上手くいっていないことに愛知県が業を煮やして先述の計画をぶちまけたということもあり、河村たかし名古屋市長も大村愛知県知事に考え直してくれんかね的な意味合いのコメントを残しています


確かに大規模な国際展示場ができることは、競争力を高める点で有利になるかもしれない。大規模なイベントが開催されることで、地域経済力の向上に繋がると思います。個人的な話、オリンピック開催前には関東圏で開けなくなる可能性のあるコミケ会場としての受け皿になるかもしれないとも考えているわけです(利用料が安くなれば、東京では3日間でも名古屋では4日間という柔軟な対応ができるかもしれない)。ただ、愛知県と名古屋市がお互い事業計画を出し、そこから建設を進めてしまえば、大阪の時に言われた二重行政を今度は名古屋・愛知で言われかねない。つまりは、カネの無駄遣いをしてハコもの行政を進めたという前時代的な都市というレッテルを張られかねないわけです。


ちなみに、空港島に建築予定の施設の方が、名古屋市から離れているとはいえ、名駅から30分くらいという立地条件から便利なのではと。空見ふ頭・ポートメッセなごやの混成も、名駅からあおなみ線一本なので便利ではあるものの、空見ふ頭に新駅のメドが立つのかという点と場所が離れている点で一体化した運営がしにくいのではないかと思います。


いずれにしても、早く調整を行わなければ、東京オリンピック前に対処できなくなるので、個人的には、河村市長は折れた方がいいよと。


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Posted by alexey_calvanov at 23:54Comments(0)TrackBack(0)