2022年09月30日

先代「楽さん、早いよ」・歌丸「あっさりくたばりやがって」

とか言われながらも、2人とも笑顔で、先代からはようかんを、桂歌丸さんから崎陽軒の「横浜チャーハン」を勧められて、頂いていることでしょう。


「笑点」メンバーの一人で、毒舌で名を馳せた6代目三遊亭円楽さんが、今日肺がんで亡くなったそうです。以前から体調が悪いとは言われていましたが、あまりの急な逝去に驚きを隠せません


6代目円楽さんは、青山学院大学在学中から落語家として活躍し、当初は三遊亭楽太郎の名で活躍していました。「笑点」時代も楽太郎名義で出ていることが多かったので、未だに6代目円楽さんを楽太郎さんと言ってしまうことが、私はたまにあります現在の名は2010年に真打ち襲名で名乗り始めています。

27歳で「笑点」に入ったものの、当初は上手くいかないことが多かったようです。その時に救いの手を差し伸べたのが、6代目円楽さんが先代の円楽さんと共に親のようだと慕っていた歌丸さんだったのです。この時に、毒舌と罵倒という代名詞が付くようになり、歌丸さんとの丁々発止のやり取りは、歌丸さんが司会の座になった時にも発揮されました。歌丸さんに向けられた「やるか、ジジイ」は6代目円楽さんのあいさつ代わりなんじゃないかと思えるほど言われましたね。もちろん、時事ネタを絡ませた批評も面白く、頭の回転の速さとウィットに富んだ語り口も相まって、6代目円楽さんの評価に繋がっています

歌丸さんが亡くなった後は、「笑点」を引っ張っていくと思われましたが、皮肉にも歌丸さんのように体調不良に襲われ、肺がんや脳卒中に襲われていました


しかしあまりに早過ぎる。もう5年・10年は落語会を引っ張って行ってほしかった。そして何より、楽太郎時代の弟子だった伊集院光さんの悲しむ姿が想像できるだけに何とも言い難い
伊集院さんは落語家として当時は楽太郎と呼ばれていた6代目円楽さんの弟子として就いたものの、タレント活動が忙しくなり、廃業という落としどころで落語会を離れたそうです。ただ、その時師匠だった6代目円楽さんは、伊集院さんの活動を擁護し、その後も目に掛けていたので、伊集院さんは師匠と呼んで尊敬していた経緯があります。落語の二人会も上がった仲なので、ツイッター上で何とも言えない心境を明かしていたのは、わかる気がします


本当に惜しい。まだまだ高座に上がってほしかった。そんな最期になるなら、1回だけでも「笑点」の司会をやってもらいたかったですね・・・。6代目円楽さんのご冥福をお祈りすると共に、今までの功績に大きな賛辞を呈したいと思います。
・・・こんな人に国民栄誉賞を与えるべきなのよ、政府の皆様。


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Posted by alexey_calvanov at 23:55Comments(0)

2018年07月02日

さらば怪鳥

日本テレビ系の人気番組「笑点」の回答者・司会として知られていた落語芸術協会会長の桂歌丸さんが、今日慢性閉塞性肺疾患(通称「たばこ病」)で亡くなりました。81歳でした。横浜で産まれた生粋のハマっ子としても知られており、生涯を横浜で過ごしていました。


歌丸さんは、子供の頃から落語家になる決心を固めており、中学3年の時に5代目古今亭今輔さんの弟子として入門するものの、歌丸さんが演じたかった古典落語と今輔門下がメインとしていた新作落語との間で行き違いや序列問題(後に放送された歌丸さんが主人公になったドラマでは、若気の至りのような演出が加えられている)が生じ、破門。一旦落語界から離れ、化粧品会社のセールスマンとなるものの、三遊亭扇馬(後の3代目橘ノ圓)さんの計らいで4代目桂米丸さん一門へ移籍という形で復帰しています。

1966年から始まった「笑点」は第1回から、その前身番組である「金曜夜席」でも回答者を務め、初代司会者だった立川談志さんとの方向性の違いで他のメンバーと共に降板した半年間と病気で休んだ以外は毎回出演しており、約40年にわたって回答者を、2006年からは5代目三遊亭圓楽に代わって約10年司会を務めました。次々とメンバーが入れ替わる中、歌丸さんは『笑点の顔』として後輩メンバーの面倒を見続けたとも言え、「笑点」になじめず困っていた6代目三遊亭圓楽(メンバー参加当初は三遊亭楽太郎)さんに対して「困ったら、私を使いなさい」と言ったエピソードは有名です。以降、6代目圓楽さんは「ハゲ」だの「もう死にかけ」など先輩への冒涜ネタで地盤を築き、売れっ子落語家になっていきました最後まで歌丸さんへ感謝・激励していたのは他ならぬ6代目圓楽さんなのも有名な話ですね。


その後は、度重なる病気との戦いの中で、徐々に体力が低下2016年には「笑点」を引退することになりました(その後は終身名誉司会という形で存続)。
それでも、落語への情熱は衰えず、入院した時でも古典落語の演目を覚え、それを高座で披露することもありました。なお、ほとんど知られていない古典落語を掘り起こし披露したことから、『古典落語の大家』とも呼ばれ、本人も古典落語を得意としていました。どうしても「笑点」の時事ネタが得意な人として知られているので、落語通でなければ、そこまで知っている人は少ないのでしょうね。そこは惜しいところでもあります。


奥さんの恐妻ネタ、落語協会会長に就任したことで言われるようになった『怪鳥』・『怪しい鳥』ネタ、先述の6代目圓楽さんの歌丸罵倒ネタ(お題によっては、ほぼ必ず「歌丸の葬式」・「歌丸ご出棺」・「歌丸の遺骨を拾う」などと称するネタをかませ、たいてい座布団を取り上げられている)など様々なエピソードに事欠かない方でもありましたが、古典落語を掘り起こし、日本の話芸を守った素晴らしい方でもあります。私も詳しくはわからないものの、ともすれば消えかねない話芸の再興に寄与したことは、本当の意味で国民栄誉賞を与えるべき人間だったのではないかと思いますね。


一つの時代が終わったのかもしれないですし、落語界が少し寂しくなりそうでなりません。心よりご冥福をお祈り致します。


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Posted by alexey_calvanov at 23:58Comments(0)

2016年04月30日

歌丸さん降板へ

日本テレビ系列で毎週日曜の17:30から放送(テレビ大分・テレビ宮崎、同番組を放送しているTBS系のRBCテレビ(琉球放送)を除く)している「笑点」。毎週楽しみにしている人もいらっしゃるかと思います。
その中で司会を務めている桂歌丸さんが体力の限界を理由に番組を卒業することを5/15に放送する特番の収録後に発表しました。NHKで放送される予定の「NHKスペシャル」でも考えなければならないと番組降板を示唆していたため、収録前から引退を考えていたのでしょう。


歌丸さんは「笑点」の第1回から出演している唯一のメンバーで、2006年から司会(実際は2005年から5代目三遊亭圓楽さんに代わり司会を務めている)を務めていました。当初は、歌丸さん自身は司会を務める人ではないと断っていたそうですが、5代目圓楽さんからの指名により引き受けたと言われています。歌丸さんのいない大喜利は当初寂しいものを感じましたけど、今はすっかりそんなことはないほどに慣れてしまいましたね。この時から大喜利メンバー全員で盛り上げようという雰囲気が出来上がったのだと思います。

後任司会は近日発表されるとのことだそうですが、6代目三遊亭圓楽(旧名三遊亭楽太郎)さんではないかと言われています。ただ、その話が出た際は「不愉快」と答えていたため、もしかすると他の人(かつて「笑点」では故三波伸介さんのように外部、つまり落語協会の関係者以外から選出されることもありました)から選ばれることもあるでしょう。そうなると日本テレビに縁のある人(最右翼なのは正月特番などで絡みのあるTOKIOの城島茂さんか松岡充さんじゃないのかなと)から選ばれる可能性もあります。


笑点メンバーの中にも寂しいとか死ぬまでやるもんだと思っていたなど驚きの声が挙がっていましたけれども、ここ数年の間は病気を理由に番組を欠場する機会があったことを考えると、また自身が満身創痍の身であることが他の番組などでも明らかになっていることから、いずれ身を引くものとは思っていました。だって79歳ですもの。まだまだやれると私も思っていましたけれども、無理強いをしてやってもらうのもどうかとも思っていましたね。

なお、歌丸さんは「笑点」を卒業するだけなので、落語家としての活動はしばらくの間続けていくのだそうです。ただ活動範囲が大きく縮むことも考えられるので、円熟味のある落語を見てみたいとは思うんですわね・・・。


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Posted by alexey_calvanov at 23:51Comments(0)TrackBack(0)

2013年04月16日

週3回楽しめる笑点

日曜夕方(一部地域除く)に放送される「笑点」。45年以上放送されている人気長寿番組でもあります。
前半は演芸(漫才・漫談・マジックなど)・後半は大喜利という、シンプルながらもメンバー達の巧妙なやり取りによって飽きさせず、いつも新鮮な気持ちで、かつ「絶対そんなことを言ったら座布団取られるぞ」といったツッコミどころ満載で見られるようになっていますある意味こういった番組は稀有な存在と言ってもいいでしょう(恐らくそれが残っているのは、「ドラえもん」・「サザエさん」・「探偵!ナイトスクープ」くらいでしょう)


そんな「笑点」を週一度しか楽しめないのか・・・というお嘆きの人にうれしいお知らせが。
BS放送ですが、毎週「笑点」が楽しめるようになっているのです。


一つ目は、「笑点デラックス」
こちらは事実上の再放送で、今から約15年前の放送を2回ずつ流してくれます
今見ると、メンバーが若い(笑)。今は亡き5代目円楽さんの司会運びは絶妙だなと思わずうなってしまいますね。もちろん今の司会の歌丸さんがいけないわけではないのですが、どうも感情に流されやすいきらいがありまして(苦笑)。横浜の人なのに江戸っ子気質があるのね・・・。特に6代目円楽に振られるとそれを如実に出してしまっていて(ニヤニヤ)。
しかし、木久扇さんは変わらないのね、木久蔵さん時代でも(爆)。
なお、この番組、開始当初は月曜夕方6時だったのですが、4月からの改編で少し見やすい時間(1時間繰り下げ)になりました。

もう一つは、「笑点 特大号」
こちらはレギュラー番組内で行われている大喜利のディレクターズカット版を軸に、この番組ならではのコーナー「お悩み相談大喜利」や「本日の楽屋」・「楽屋大喜利」、そしてこの番組のために収録されたメンバーの演芸(落語)が楽しめるまさに「笑点」が好きな人向けの番組です。
大喜利のディレクターズカット版は、普段なら編集でカットされてしまう部分をそのままに流しているので、大喜利の流れがよくわかるようになっています
しかし、楽屋に関しては驚かされましたね。てっきり個室かと思ったら、みんなが相部屋にいるんですね。スタッフ達もいて結構和気あいあい。これだから「笑点」は長く続くのかと納得。


三者三様とはよく言いますが、「笑点」も三者三様でそれぞれの楽しみ方があるのだなとこれらを見ると実感してしまいます。チャンスがあればぜひ3つとも見てほしいものです。


放送時間の詳細は「続きを読む」にて。


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Posted by alexey_calvanov at 23:59Comments(0)TrackBack(0)