2016年04月25日

補欠選挙は1勝1敗

昨日(4/24)、北海道5区と京都3区で衆議院議員の補欠選挙が行われました。


北海道5区は前職の死去に伴うもので、前職の娘婿が自民党新人として出馬公明党・日本のこころを大切にする党、そして北海道の地域政党である新党大地が支援しました。対して民進党・共産党・社民党・生活の党が野党統一候補(無所属で立候補)を立て、一騎打ちの様相を呈しました。

京都3区は前職の不祥事で辞任したことに伴うもので、その議員が所属していた自民党は立候補を立てず『不戦敗』となりました。この選挙区には、民進党の前職(比例選出)が議員を辞して立候補し、社民党が支援、共産党などは自主投票という形で事実上の支援に回りました(共産党が候補者を立てずに自主投票になったのは、京都府の共産党が民進党の前身になる民主党との間にわだかまりがあるため)自民党が候補者を立てなかったため、自民党系の野党(おおさか維新の会・日本のこころを大切にする党)がこれに代わる形で立候補することになりました。その他、無所属2名と諸派(幸福実現党)が立候補していました。


結果は、京都3区では、民進党の候補が2位に約3倍の差を付けて当選し、事実上野党4党の候補が勝ちました。対して北海道5区では、自民党の候補者が当選したものの、約12,000票ほどしか差が開かず、野党4党が善戦したとも取れます。


京都3区に関しては、自民党が出なかったことで誰に投票すべきかで分散したものと思います。
特に支持政党なしとしていた人達で、自民の前職に投票していた人達が、彼の不祥事に怒りを覚え、民進党の候補者に流れたとも取れます。仮に自民党の候補者が出ていても、この流れは止まらなかったでしょうね。
それ以外の自民党の支持者は、自民党に近いおおさか維新の会や日本のこころを大切にする党に流れたものの、結果的に分散する形になり、大きく票を獲得できなかったものと思われます。仮におおさか維新の会と日本のこころを大切にする党で候補者が一本化できれば、もう少し流れが変わっていたのかもしれません。なお京都3区の有権者は、おおさか維新の会へのアレルギーは無かったようにも感じられます大阪府以外での浸透がおおさか維新の会は大きな課題だっただけに、今後参議院選挙に向けて大きな手応えを感じたのではないのでしょうか。

北海道5区は、野党4党が善戦しました。無党派層の取り込みは野党側の勝ちだったように感じました。共産党が参加したことで、民進党を支持する保守派が敬遠するアレルギー反応が出るのではないかと思われましたけれども、今回に関してはそれほど出なかったとも。自民党が行ってきた政策に不満を持っている人達には、共産党がいようといまいと、自民党にNOを突き付けられればそれでいいという流れだったのかもしれません。


今回の結果を受けて、野党4党は参議院選挙に向けて1人区の統一候補擁立に大きく舵を取るのかもしれません。状況によっては2人区でも一本化を図る動きも出てくるものと思われます。ただ、先述の通り、地域(特に保守地盤の強い地域)によっては、共産党との連携が凶となる可能性もあるため、慎重な動きも出ると思われます。
また、共産党などのミニ政党は対価が薄いということで、比例で旨味を残すように働きかけるなどを求めてくると思われ、民進党は更なる踏み込みができるのかという心配も根強いです。

自民党に関しては、この選挙の結果で消費税の増税やTPP(環太平洋パートナーシップ協定)、安全保障問題・憲法改正など通したい事象を通せなくなる可能性が出てきました。さらに熊本地震の影響で衆参同日選挙は無理だという声も挙がっており、この結果を想定内と取るのか取らないのか迷っているのではないかと思っています。
また、公明党以外にも自民党に思想の近いおおさか維新の会や日本のこころを大切にする党とも連携を図ってくる可能性もあり、保守色をさらに強める可能性もあります。下手をすると、関西の1人区はおおさか維新の会を候補者にして自民が支援という流れもできる可能性があります。そうなると、意図せず自民・民進が望んでいた2大政党制度の基礎ができることになり、そうなった場合に他の政党はどう思うのかも気懸りです。


個人的には、多党制による議会運営というのが多様な意見を織り交ぜることができ、理想的なのではないかと思います。ヨーロッパ(特にイギリス)では2大政党から多党制に移行しており、多様な意見が受け入れられようとしていますアメリカでも共和党がトランプ旋風で党が割れるのではないかという動きも出ており、既に2大政党制は時代遅れなのだということを今日本人は実感すべき時だと思うのですが・・・。


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Posted by alexey_calvanov at 23:36Comments(0)TrackBack(0)