FC岐阜、先日徳島ヴォルティスとポカリスエットスタジアムで戦いました。
来るところまで来た9連敗。今まで様々なスポーツ観戦をライブなりテレビなりラジオなり動画配信なりで見て来た人だと自負していますが、ここまで負けるのは相撲の元気のない力士くらいですよ(苦笑)。それでも場所だけで見れば15連敗で一旦幕引きができる。しかし、J2は今回の試合を入れて10試合残っている。負けっ放しになってしまえば、19連敗になり、J2の記録に並ぶのだそうな(記録を持っているのは、ヴァンフォーレ甲府)。
さすがにここまで来れば・・・と思いたいが、この試合から先は前半戦で勝っていないチーム。今回の徳島も引き分けで終わったチームです。
ましてや、ポカリスエットスタジアムは鬼門、いや相性の悪いスタジアムとして個人的には記憶しています。
そう、去年は試合終了間際に岩尾憲選手が同点ゴールを叩き出し、勝てる試合が引き分けに終わるという悪夢のよう(第三者から見たらドラマチック)な展開になりました。しかもライブで見ているので、嫌ってほど印象に残ってる(泣)。
ましてや徳島は抜群の攻撃力、対して岐阜は夢スコア(5-0)の後で福村貴幸選手が『おつとめ』(イエローカード累積4枚による出場停止)でいない。ぽっかり穴の開いた中にガンガン叩き込まれるんじゃないかと心配と不安と落胆の中でやって来たのです。
なお、写真は徳島のマスコットであるティスちゃん。後ろにある屋台の店の名前をメモ代わりに撮ろう(いわゆる「資料撮り」と個人的には思っている)としたら、視界に入ってきた(爆)。じゃあ撮ろうと思ったら、近寄ってくるの(ニヤニヤ)。おいおい、そこはヴォルタくんのマネしちゃいかんよ(ギャハ)。
というわけで、ヴォルタくんは写っておりません(ニヤニヤ)。でも、私のところにやって来て、ノベルティでもらったうちわを強奪していったのはいい思い出(苦笑)。
その「資料撮り」をしてまで紹介したかったのは、この日の試合の主催になった美馬市から来た大滝山麓食堂のそば。いわゆる田舎そばで、十割なんでしょうね、短い麺になっております。これも田舎そばの特徴だと個人的には思っております。
ちなみに、この食堂は美馬市の中でも香川県境そばになり、4・5人しか座れない小さな店だそうで。おまけに日曜日のみの営業。採算って何だろうと思わせる店です。
味は素朴だけど、心の温まる味というのが正しいのかな。父親の田舎である愛知県東栄町に行く途中にドライブインがあるのですけど、そこで出されるそばは、まさしくこんな感じのそばなので、懐かしさも感じるんですよ。
一緒にあった「みまから」も辛いながらもいいアクセントになって美味しい。買って帰りたかったけど、ビン類はスタジアムへ持ち込めないからね・・・。通販なら袋入りもあるのにね・・・。
この日の試合は、いつもと違った。
ビクトル選手がウォームアップ前にスタジアムの様子を見に行くかのように来るのだが、いつもなら手を振るだけなのに、お辞儀をして最大限の謝意を見せてくれた。
そして、まだ選手も出てきていないのに、大木武監督がわざわざアウェイ側にやって来て一言挨拶してきたのだ。
普通なら監督呼べだのフロントは責任取れだの大荒れの展開になりかねず、既に監督が交代したりフロント総辞職というところだってある。
ところが岐阜は違う。もちろん荒れそうになったことはあったけど、サポーターは我慢強くその日、勝ち点を上げる日を待っているのだ。そんな気持ちに監督は応えてくれたんだね。監督もまた苦しんでいるのだ。
だからこそ感じた。今日の試合はいつもと違う。
とにかく選手達が奮闘し、よく動いた。何とかしたいという気迫もよく伝わった。相手選手には蝮のようにしつこく絡みついて、プレーをよく止めてくれた。粉骨砕身と言うには、あまりにも切ない懸命さを見せて。
それでも、運は悪い。
審判が少々の倒れるプレーを取ってくれない。逆にそれに救われることもあったが、言い換えれば相手にもチャンスを与えることになる。徳島の先制点もそんな感じ。警戒しなければいけなかったピーター・ウタカ選手のパワープレーにディフェンスがやられ、その隙をバラル選手が打ちこむコンビネーション。普通なら笛を吹かれてもおかしくないプレーだけど、他で吹いていないからスルーされても仕方ない。
それでも、試合の主導権は岐阜が握っていたように思える。諦めない心で挑んだこの一戦、その気持ちとは裏腹に中々点が決まらない。いつものことながらも、このもどかしさに振り回されてもいる。
このままダメになるのかなと思ったら、魅せてくれたのが、散々ダメ出しされていた山岸祐也選手。
実は後半早々に過激な接触プレーで倒れ、しばらく動けなくなっていたのだ。しかし、その体を張った姿を見て、いつもの後ろ向きな決定力のない軟弱な姿を思い浮かべることは無かった。散々期待を裏切って、一時はメンバーからも干された山岸選手が、この試合で『本来の姿』を見せてくれたのだ。そして、後半35(80)分に結実する。
風間宏矢選手のコーナーキックからヘディングシュートがドンピシャ。あの調子のいい徳島から追い付いたのですよ!やっと勝ち点を掴んで長良川競技場に帰れる。皆が安心して心躍っているのが手に取るように分かったのです。
しかし、運命は残酷、そして悲劇は繰り返すのかと絶望に浸ることとなる。あまりにもいいプレーが出ていたから。
試合終了間際、岐阜の守備陣が一瞬乱れ、相手にボールが回ると、必死になったがためにボールに振り回された守備陣をあざ笑うかのように打たれた表原玄太選手の一閃。去年観た者にとっては、まさか起こらまいと思っていた出来事がまた起こるという悲劇。相手側にとっては奇跡とも言えるだろう、徳島ホーム8連勝を決める一閃。様々なフラグがあったのだろうけど、最後は徳島の選手がフラグを立てたのだ。そのフラグを折れなかった岐阜の選手の負け。何とも残酷で、何とも悔しい。そして絶望をもたらす闇は、私達を掴んで離さないという事実・・・。
それでも、この日の試合は選手も監督も責めることはできない。やるだけのことをやったのだ。だから笑って帰ろう。皆にそう思いを訴え、スタジアムを後にした。
ちなみに、北谷史孝選手がうなだれて下を向きっぱなしだった。もう下を向くな北谷。お前さんはいなかった福村選手の代わりを十分に果たしてくれたよ。この気持ちを忘れなければ、次もきっとメンバーに残してくれるよ・・・。
ただ、残酷な現実に目を背けてはいけない。
18位 新 潟(36)
19位 岐 阜(32)
20位 京 都(28)※
---- 降格ライン ----
21位 熊 本(27)
22位 讃 岐(25)※
注目は括弧書きの勝ち点。
アルビレックス新潟はウチの試合から連勝を果たし、残留争いから片足抜け出したかなという印象。ロアッソ熊本はプレーオフないしは直接昇格を窺う東京ヴェルディに引き分け貴重な勝ち点をゲット。京都サンガF.C.もここ5試合で負け一つ。調子が悪いというカマタマーレ讃岐でさえ、ここ5試合で引き分けを一つ付けている。つまり岐阜だけが負けっ放しのだ。前半、厳しい言い方をすれば、古橋亨梧選手の『貯金』だけで生き延びている、そんなチームなのだ。
さらに、京都と讃岐は1試合順延になった試合を残している(※で示したもの)。試合の展開次第では、京都はいつでも岐阜を追い抜け、讃岐は最下位を抜け出せる。ゆえに、いつまでももどかしい試合をやっていると、下位のチームに追い上げられ、潰されてしまうのだ・・・。
J2残り試合あと9。降格圏チーム(21位)との勝ち点差は5。