2017年08月24日

ユニー、サンチョになる

ディスカウントストアの最大手ドンキホーテホールディングスがスーパーとコンビニを有する大手の一つユニー・ファミリーマートホールディングスと資本・業務提携を結ぶことになりました。


ドンキホーテホールディングスはディスカウントストアのドン・キホーテを中心に、スーパーの長崎屋、ホームセンターのドイトを子会社にして運営しています。AKB48の支援をしていたことで有名で、秋葉原店にAKB劇場があるのは、その名残でもあります。
対して、ユニー・ファミリーマートホールディングスは、スーパーのアピタ・ピアゴ・ピアゴラフーズコア(その昔は基本的にアピタがユニー系、ピアゴ・ピアゴラフーズコアはユニーの子会社だったユーストア系だった。なお、同じく基本的にアピタが大型複合店、ピアゴは中小スーパー店舗の扱い)、コンビニのファミリーマートやサークルKサンクスを運営しています。元々は、スーパーとコンビニを運営していたユニーグループ(ユニーとサークルKサンクス)、コンビニを運営していたファミリーマートが合併してできた会社で、双方と取引のあった伊藤忠商事が合併の仲介をしたと言われています。


今回の資本・業務提携により、ユニー・ファミリーマートホールディングスが扱っているスーパーの中にドン・キホーテが参入する形を採ったり、閉店するユニー・ファミリーマートホールディングスが扱っているスーパーにドン・キホーテが居抜きの形で参入することもあるとのこと。また既に出店しているドン・キホーテの中にファミリーマートが展開されるケースもあるとのことで、双方のメリットを生かした出店を行っていくのかなと思います。

ただ、今回の提携劇で、ドン・キホーテとアピタ・ピアゴが近い店舗もあるでしょうから、その店が統廃合する可能性も出てくることでしょう。まだ提携レベルなのでそれほど多くは無いでしょうが、将来もっと踏み込んだ(いわゆる合併話になった)場合、店舗リストラは進むことになるでしょう。例えば名古屋市内だと、今池という地区に、ドン・キホーテとピアゴが近接しているので、将来的にどちらかを選択することになるのでしょうね。


これまでドン・キホーテは長崎屋やダイシン百貨店(現在はドン・キホーテの店舗を運営する子会社になる)、ドイトを傘下に収めているものの、ドン・キホーテ側から見れば、それほど大きくない会社でしょう。しかし、今回は日本の三大コンビニの一角を担い、かつ日本の大手スーパーの一角を担っている会社との資本・業務提携になります。
同じ名前の付いた小説「ドン・キホーテ」によれば、主人公のドン・キホーテは気狂いを起こした自称騎士で、お供に学はないものの、現実的なアドバイスができ、かつ知的な言い回しのできるサンチョを付き添い人にして旅に出ています。もし、今のドン・キホーテが小説のそれになぞらえれるとすれば、同著の中に出てくるサンチョよりも素晴らしい人物がお供に付いたとも言えます。しかし、小説とは違い、ドン・キホーテの妄言に愛想を尽かせて離れるようなことにならないかという心配も無くはないです(販売戦略の違いが特にそう思わせる)ドン・キホーテが正気を取り戻して現実的な運営(つまりはサンチョの話をよく聞く)のか、はたまた振り回すのか、見ものではあります。ただ、前者の場合、ドン・キホーテはまもなく死んでしまうそうで・・・(汗)。


ドン・キホーテ 全6冊 (岩波文庫)
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Posted by alexey_calvanov at 23:41Comments(0)

2015年03月17日

任天堂、遂にスマホへ進出?

風雲急を告げるとでも言いたげな雰囲気になってる気がします。


コンシューマーゲームでは古参の任天堂とスマートフォンやケータイでゲームアプリ・ネットオークション・SNSなどを手掛けているDeNAと業務・資本提携を行うと発表しました。これにより、DeNAの発行済み株式の10%を第三者割当で任天堂が取得し、対して任天堂の発行済み株式の1.24%を第三者割当でDeNAが取得するというふうになります(比率は違うものの、総額は共に約220億円)
今回の提携により、任天堂の知的財産、平たく言えばマリオやドンキーコングなどのキャラをDeNAでゲームアプリ化するということを行い、DeNAのアプリを糸口に任天堂の販売するコンシューマー機に引き入れようというふうに考えているようです。この構想の一環として、PC・スマートフォン・タブレットと3DS・Wii Uとを繋ぐ一体型メンバーズサービス(既に廃止が決まっている「クラブニンテンドー」に変わる物になると考えられる)の共同運営と開発し、さらにスマートフォンやタブレットといったスマートデバイスゲーム専用機との架け橋となる新しいゲームハード「NX(コード名)」の開発を手掛けることを発表しました。この新ゲーム機は先述の一体型メンバーズサービスとの連携も可能になるとのことです。


しかし、任天堂はスマートフォンでのゲームには否定的とされていましたスマートフォンでは主流になっている課金制度に否定的だからとも言えるわけですが、このところ赤字が続き、これまで親が子に安心安全だからと薦めてきた任天堂のハードが売れていないという点、中学生ないしは下手をしたら小学生といった子供もスマートフォンやタブレットを持ち始めてきたことから、これまで任天堂のゲーム機を遊んできた層が離脱し始めている点、さらにじっくり楽しみたい層が任天堂ゲーム機ではなくSCEのゲーム機に流れていっている点などが任天堂の社内に危機感を持たせ、今回の提携・スマホアプリへの提供に至った理由なのではないのでしょうか。


今後の課題は、任天堂が拒絶してきていた課金に対するスタンスをどうするかというのとDeNAのノウハウがきちんと生かされるのかというふうになってくることでしょう。


いずれにしても、任天堂が新しい時代を迎えることになるのは間違いなさそうです。もしかすると任天堂がかつてのセガのようにゲームハードの生産を終える事態になるのではと思えてならないのです。それだけスマートフォンに少しではありますがシフトする任天堂の決断は重いものなのだと感じております
今後の任天堂の動向に目が離せなくなってきました。実りあるものであってほしいと思います。


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Posted by alexey_calvanov at 23:26Comments(0)TrackBack(0)