2012年のクライマックスシリーズ・セ、最終戦となった今日の巨人×中日6戦目。巨人が4-2で中日を下し、3年ぶり33回目の日本シリーズ進出を決めました。
正直今回の巨人は苦しみながらの進出となったのかもしれません、初戦から3戦目を落とし、特に3戦目は延長戦の末に負けたこともあって、まさに崖っぷち、原監督の言うところの徳俵に足が掛った状態と言ってもいいでしょう。
ただ、巨人は4戦目の沢村選手の好投を皮切りに、5戦目の石井義人選手のサヨナラヒットで一気に勢いが付きました。
そして最終戦、序盤の2回裏に寺内・長野(ちょうの)両選手のタイムリーで一気に3点取ったのが決め手になったのではないのでしょうか。投手陣はホールトン選手が悪いながらものらりくらりとしたピッチングで中日打線を5回0点に抑え、中1日ながらも登板した沢村選手が1点取られながらも1回を抑え切り、その後、山口・西村両選手のシーズン通りのリレーで中日打線を抑えていきました。
中日も再三あったチャンスをことごとく潰された格好になり、投手陣も山井選手が村田選手にソロアーチを浴びて万事休す。序盤の3点とこの1点が大きくのしかかって、9回に2点差にまで追いついたものの、荒木選手が倒れて終戦となりました。
実は、中日は4勝できた可能性があったんです。特に3連勝していたことを考えれば、その素地は十分にあったと思います。ただそれができなかったのはただ一つ。盤石とまで言われていた投手陣が思わぬケガで穴が開いてしまった、それだけなんです。
クライマックスシリーズを迎える前にはエースの吉見選手と大車輪の活躍を見せたソト選手を、ファーストステージ終了後には中田賢一選手が抜けてしまい、ローテーションの穴が大きくなっていました。確かに伊藤準規選手の活躍は高木監督にとっても想定外だったのでしょうが(苦笑)、それでも抜けた穴を必死で埋めている感はよくわかりました。だからこそローテーションがきっちり回っていれば、中日の4連勝の可能性が高かったわけです。逆に言えば、打てないと称されていた打線の歯車がかみ合っているうちに巨人を引き離せれた可能性もあったわけです。
巨人が勝った理由は、かねてから言われている選手層の厚さが最後になって効いてきました。思わぬ伏兵が活躍するというのが短期決戦の大きな特徴ですが、古城・石井選手はその短期決戦でベテランとしてその存在意義を発揮したと言えるでしょう。さらにマシソン選手といったシーズン中にケガした選手が戻って来たのも大きかったと思います。
ともすれば10.8決戦を思い起こさせるような試合、奇しくも原監督は当時のスタメン、高木監督は当時の監督として戦った関係でもあります。師である長嶋終身名誉監督が果たしたように、原監督も決戦を制しました。そして師である長嶋終身名誉監督が果たした日本一になるために、原監督はパリーグ覇者となった日本ハムとの最終決戦に挑みます。
最終決戦の日本シリーズは10/27、東京ドームから。間もなくその幕が開きます。