2019年02月07日

浦和(さいたま)にあるのに鹿島って

さいたま市にある銭湯が、サッカーファン(特にさいたま市の旧浦和市を本拠に置く浦和レッズのサポーター)の間で話題になっています。その銭湯の名は、鹿島湯
うわーやっちまったなー・・・と言うのは、実に早計。鹿島湯の『鹿島』は同じJ1に所属する鹿島アントラーズからではなく、鹿島湯のある地名(通称)の鹿島台から来ているのです。銭湯開業を思い立った時、初代だった3代目の祖父(故人)が、鹿島台と呼ばれていた地名から採ってこの名前にしたのだそうです。ただし、実際の地名は違う(現在の地名は別所)とのことで、その名前になっていたら、今日のようなことにならなかったのか、あるいはここまで愛される銭湯になっていなかったのかもしれないわけで・・・。
そんなわけで、付けちゃいけない相手チームの名前の名が付いた銭湯、Jリーグが開幕した1993年からにわかに色めき立っちゃったんでしょうねぇ。一時は、この名前のせいで旧浦和市のメンツからそっぽを向かれたという話もあったそうで。それでも改名もせず、「この地で一番名乗ってはいけない名前で、私たちは営業を続けてきました」と胸を張って言っているのだから、素晴らしい。


そんな鹿島湯の3代目が遂にはっちゃけちゃった(笑)。ある種自虐的なポスターで宣伝をし始めたのです。先述の「この地で一番名乗ってはいけない名前で、私たちは営業を続けてきました」も、そのポスターの(文言の)一つ
別のポスターでは、自虐のオンパレード。中でも、「肩身はせまいですが、湯船はひろいです」・「名前のせいで経営難」・「ほら、ジャイアンツファンの人だってヤクルト飲むじゃないですか」・「埼スタを建てたのだって、鹿島建設さんじゃないですか」は、個人的に見てもなかなか言えたもんじゃない。しまいには、「レッズファンのみなさん、鹿島『湯』のファンにもなってくれませんか?」とまで。愛らしい銭湯じゃないのよ。


全国的に銭湯が無くなっている今、このような個性的な宣伝で活路を見い出そうとする動きもあります。最近では、銭湯の緩さと敷居の低さがクローズアップされ、再注目されているという動きもあります。そうはいっても、人が来ないだけじゃなくて、後継者がいないとか施設の老朽化とか原材料(大概の場合は灯油などの石油で火を起こしているが、鹿島湯のように薪で火を起こしているところもある)の高騰など複合的な原因があるからねぇ・・・。


ちなみに、3代目は浦和レッズの大ファン。だから、「鹿島湯は、浦和レッズを応援しています」と宣言しています。こんな素晴らしいサポーターはいないよ。行ってあげようよ、浦和レッズのファン・サポーターの皆さん。


人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ  

Posted by alexey_calvanov at 23:44Comments(0)