日本で一番よく知られている掲示板といえば、恐らく2ちゃんねる(通称2ちゃんないしは2ch)を挙げる人が多いでしょう。
元々は別の掲示板から端を発し、いつの間にかメインストリームになっていったそうですが、具体的な流れはよくわかっていません(ただ言えるのは、1999年5月30日に立てられた個人サイトから来ているという点)。
2ちゃんねるは、2000年に起こった西鉄バスジャック事件で犯人が使っていた掲示板だったことから周囲に周知されることになり、以降ほとんどの人が知るところとなりました。2001年をはじめ、過去何回か閉鎖の危機が訪れたこともありましたけれども、そのたびに掲示板システムが改良され、生き残ってきました。
よく2ちゃんねるは匿名掲示板と言われることがありますが、2003年以降IPアドレスを記録することになっているので、この見方は誤りとも言えます。
なお、2ちゃんねるは2002年から事業化。2009年にはシンガポールの会社に「www.2ch.net」のドメインが売却されたとも言われています(サーバーはアメリカで管理されているとも)。現在でも過去の勢いはないものの、今でも影響力を持っている掲示板とも言えます。
その掲示板を管理しているとされる人物とは「ひろゆき」こと西村博之さん。2ちゃんねるの立ち上げに関与し、2009年まで管理人として運営に携わっていたものの、「飽きた」という理由でシンガポールの会社に売却してからは第一線を退いたとも言われていますが、2ちゃんねるへの関与はしていると言われています。
そのため、野放図にされている誹謗中傷さらには薬物関連の売買取引に対する書き込みに対して、あらゆるところから訴訟が起こされていても、当初は対応していたものの、ひろゆき本人が多忙によるないしは弁護士を雇ってまでやる意味がないなどの理由で表に出ることはなく、損害賠償を支払う判決が出ても、払わないというスタンスを採っています。遂には彼が関わったとされる書籍の印税を差し押さえて損害賠償に充てるという荒業で回収したということもありました。
そのひろゆき、過去に何度か逮捕されるのではないかと週刊誌やネット上(奇しくも主な場所は2ちゃんねるで)言われ続け、その都度デマか噂話程度で終わっていました。しかしながら、今回ばかりは違うようで、いよいよ逮捕一歩前になる書類送検になってしまいました。
今回書類送検された件は、麻薬取引の書き込みを放っておいたため。
2ちゃんねるというのは、ある人が削除を依頼しても、削除依頼を出さなければならないのとその削除依頼の手続きが煩雑であること、さらには削除人がなかなか動いてくれない(ともすればひろゆき自身が削除に対して否定的なスタンス)ので、実際に削除される書き込みは1割程度なのではないかと言われています。このことが今回警察は悪質と判断し、麻薬特例法違反(あおり、唆し)幇助(ほうじょ)の疑いで書類送検されることになったのです。
今回は管理不行き届きで逮捕までには至らないものの、今後麻薬取引の書き込みがまた放っておかれるようになってしまうのならば、状況によっては逮捕に至る可能性もあります。
ひろゆきという人は、ある意味黒い部分があるので、いい意味でも悪い意味でもここでお灸を据えるべきではないかなと思うのですが、何も犯していないのに罪をなすりつければ、陸山会事件の際の小沢一郎議員のようになるのがオチだしなぁ・・・。