こんなことになろうとは・・・。
宮城県多賀城市をホームタウンとしているJFLのソニー仙台FCが今シーズン終了をもって活動終了(9/27にJFLへの退会届を提出)するとのことだそうです。下部組織(サッカースクール)も2025年3月をもって活動終了となるそうなので、ソニー仙台FCというクラブは、完全に活動終了となりそうです。
ソニー仙台は、1968年に宮城県多賀城市にあるソニー仙台テクノロジーセンター(現在はBru-rayディスクの製造が主)の同好会としてスタート・宮城県実業団に加入し、長年宮城県リーグで活動していました。
1997年に全国地域リーグ決勝大会(現在の全国地域サッカーチャンピオンズリーグ)で優勝したことでJFL昇格が決定し、1999年からは新体制になったJFLのオリジナルチームとして活動を開始します。
以降は、地域リーグの降格の危機になった2011年のような時期もあった(この時は東日本大震災という不運も重なっている)ものの、Jへの門番としてHonda FCと共にJFLをけん引し、2015年には優勝を果たしています(思えば、これが最初で最後の優勝だった)。
急遽決まったかのような活動終了への展開ですけど、地元の人やソニーをよく見ている人には、さもありなんな状況だったようです。
というのも、ソニー仙台テクノロジーセンターの業績不振が主な理由になっているそうです。記録メディアの販売不振が続き、収益が悪化しており、近年では希望退職者を募っていたということもあり、これ以上企業チームとしての活動が難しくなったために、活動終了を決めたのではないかと思われます。
単純に活動終了ということであれば、本業に勤しむ・・・というふうで残ることも可能でしたけど、今回は希望退職者も募るほどの業績不振なので、本業に残ることも叶わないかもしれません。サッカー選手として続けていくべきなのか、業績不振でも本業に残るべきなのか、あるいは転職すべきなのか。その狭間で悩む選手も出てくることでしょう。
JFLへライセンスを返す格好になるので、他のJFL昇格を目指すチームが継承に乗り出す事態は無さそうです。まぁ、その方が変な憶測を招かなくていいと思いますね。横河武蔵野FCと東京23FCとの協業が、東京23FCの乗っ取りじゃないかと言われた経緯があったので、なおのこと。
なお、これに伴い、2024年のJFLの降格・入れ替え戦のレギュレーションが変わることになります。
今シーズン15位になったチームの全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2位との入れ替え戦という位置付けが無くなって残留となり、同じく最下位に落ちたチームの地域リーグへの強制降格は無くなり、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2位との入れ替え戦となります。
ただ、このレギュレーション変更は、まだ公式の発表は行われていませんが、過去の事例を考えると、今回紹介した方式になるのではないかと思われます。詳細が出た場合には、またお話しすることになるでしょう。
企業チームの立ち位置が、これまで以上に厳しいということが、今回の件で強まったように思います。Jリーグ(J3)と掛かる経費はほぼ同じで、JFLへお金を収めないといけないことを考えると、プロチームになるわけではない企業チームにとっては、かなり厳しいんだなと。そう思うと、業績次第で、Honda FC・ミネベアミツミFC・FCマルヤス岡崎・横河武蔵野FCも同様の事態に陥る可能性があるかもしれません。今残っている4チームは、活動理念に理解があると思うので、早々に活動終了になることはないと思いますが・・・。