2024年12月03日

順当と厳しい結果が交錯した中のプレーオフ・入れ替え戦

12/1にJ1昇格プレーオフとJ2昇格プレーオフの昇格プレーオフ、J3・JFL入れ替え戦とJFL・地域リーグ入れ替え戦の入れ替え戦が行われました。
まずはJ1昇格プレーオフ。J2で3位のV・ファーレン長崎が同じく6位のベガルタ仙台と、同じく4位のモンテディオ山形が同じく5位のファジアーノ岡山とそれぞれ上位クラブのスタジアムで開催されました。
その結果、下位のチームである仙台と岡山が勝つという下克上が発生しました。


仙台は、長崎に対して有利に進め、前半に先制。その後後半になっても仙台が押せ押せムードで進め、追加点を着実に奪います終盤に長崎が1点を入れるものの、時既に遅しアディショナルタイムにダメ押し点を仙台に入れられ、万事休すとなりました。

岡山は、山形に仕掛けたプレスが功を奏し、先制点を奪うと、その3分後にはコーナーキックから追加点を奪います山形はツキに恵まれず、相次ぐ選手の負傷と後半に起こった一発退場で徐々に精彩を欠き、最終盤にダメ押し点を岡山に叩き込まれ、山形は無得点で試合終了。この結果、岡山が初の決勝進出となりました。

決勝戦は、岡山のシティライトスタジアムで開催となりました。岡山ではNHK岡山放送局が、優勝した際は特番を組むということで、鼻息が荒いようです(試合は、テレビせとうちで放送)


続いては、J2昇格プレーオフ。J3で3位のカターレ富山が同じく6位のFC大阪と、同じく4位の松本山雅FCが同じく5位の福島ユナイテッドFCとそれぞれ上位クラブのスタジアムで開催されました。
その結果、双方とも引き分けに終わったものの、レギュレーションに伴い、上位に着けていた富山と松本山雅が決勝に進みました


富山もFC大阪もがっぷり四つで進んだ試合は、前半に双方点が入ったものの、それ以降は膠着状態に。下位に着けているFC大阪がゴールを攻めるも、富山の守備を割ることができずに試合終了となりました。

松本山雅と福島の試合は、序盤に福島が先制を挙げるものの、その後点が奪えずに前半が終わります後半に入ると松本山雅のペースになり、後半半ばに同点弾を叩き込みます福島は初のJ2昇格に向けて猛攻を仕掛けるものの、松本山雅のホームでできることとサポーターの多さという地の利が生きたのか、松本山雅の守備陣を打ち破ることは再び叶わず、引き分けに持ち込まれてしまいました


決勝戦は、富山の富山県総合運動公園陸上競技場で開催となります。富山は10年ぶり、松本山雅は3年ぶりのJ2復帰の掛かった大事な試合になります。この時期の北陸地方は雨がち(時に雪)な天気になるようで、かなり寒いことが予想されます。そんなコンディションの中で十二分なポテンシャルを出せるのは、どちらなのでしょうか。そして、松本山雅のサポーターによるホームジャックが行われるのかも注目です。


そして、J3・JFL入れ替え戦。ホーム&アウェイ方式で行われる入れ替え戦の1試合目は、JFLで2位だった高知ユナイテッドSCのホームで行われることになっていたのですが、春野総合運動公園陸上競技場がイベントで使えなかっただけでなく、照明でもJリーグ基準を満たせなかったため、香川県丸亀市のPikaraスタジアムで開催されることになりました。相手はJ3で19位だったY.S.C.C.横浜です。
堅守速攻の高知と攻撃的なY.S.C.C.という構図だったはずが、試合開始から全く逆の特徴が出る展開になりました。前半早々にY.S.C.C.が先制したものの、前半半ばにY.S.C.C.のわずかなスキを突いた高知が同点に追い付きます。しかし、双方追加点が遠く、1-1でのドローとなりました。
これに伴い、双方が勝たないといけない状況に陥ったものの、高知の方が若干不利になったように感じます。総得点数がJFLの中でも低かったこととシュート数がY.S.C.C.の倍打ったにもかかわらず1得点で終わったことがその理由です。

史上初のJ3・JFL入れ替え戦の第2戦は、12/7にY.S.C.C.のホームであるニッパツ三ツ沢球技場で開催されます。高知が不利と言ったのは、Y.S.C.C.のホームであるという点ですね。仮に延長→PKになっても、ホームの地の利を生かせるのは、やはり大きなアドバンテージになりますよ・・・。


最後に、JFL・地域リーグ入れ替え戦。一発勝負で行われるこの試合は、JFLで16位に終わったミネベアミツミFCが、自身のホームで、全国地域サッカーチャンピオンズリーグで2位に躍り出たVONDS市原FCを迎え撃つ格好となりました。
試合そのものは、がっぷり四つを組みながらも双方チャンスを潰し合い、膠着状態に陥っていました。このまま延長戦になるのかなと思われた最終盤にコーナーキックからのセットプレーで、クロスの上げ損ないになったボールが市原のゴールマウスに吸い込まれる意表を突く展開に。まさにミネベアが棚ぼたの勝利でJFL残留を勝ち取りました。一方で市原は関東1部に残留となり、熾烈なリーグ戦を戦い抜くこととなりました。


三者三様というのか、各リーグの特徴が如実に出ていた試合になったのかなと。特に最後のJFL・地域リーグ入れ替え戦は、一発勝負から来る残酷さと意外性が詰まったものになっていましたね。過去私は、FC刈谷×クリアソン新宿の入れ替え戦を見に行きましたけど、その時は同じ残酷さでも下克上の勢いみたいなものが見られたように思いました。JFLの公式で見た今回の試合とは全く違う異質なものでした。Jリーグでもなかなか見ないヒリヒリしたものでしたよ・・・。


12/7には、昇格プレーオフとJ3・JFL入れ替え戦が行われます。どんな戦いを見せるのか楽しみですし、どこが昇格・参入してくるのか楽しみでもあります。


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Posted by alexey_calvanov at 23:51Comments(0)

2024年11月30日

【昇格プレーオフ】上がるための戦いと生き残るための戦い【入れ替え戦】

いよいよ昇格プレーオフと入れ替え戦が始まります。今回は、それらを追い掛けてみましょう。


まずは昇格プレーオフ。J1昇格プレーオフ(J2)とJ2昇格プレーオフ(J3)ですね。
J1昇格プレーオフもJ2昇格プレーオフもレギュレーションは同じです。
リーグ戦で3位~6位までに入ったライセンス所有チームが対象で、3位×6位・4位×5位がそれぞれ戦い、勝ったチーム同士で決勝戦を戦います。そこで勝った1チームが、昇格となるわけですね。
なお、1試合目に勝ったチームは上位下位関係なく決勝戦に進めますけれども、1試合目に引き分けとなった場合はリーグ戦上位チームに決勝進出権が与えられます。つまり、3位×6位の試合なら3位のチームが、4位×5位のチームなら4位のチームが進出となるわけですね。それを踏まえて見ていきましょう。


J1昇格プレーオフは、V・ファーレン長崎、モンテディオ山形、ファジアーノ岡山、ベガルタ仙台の4チームになり、長崎×仙台、山形×岡山となるのですが、一番有利なのは長崎なんじゃないかと。新スタ効果が出ているのと一番勢いがある(引き分けを挟んで14連勝をシーズン中に達成し、中断以降一旦調子を落としたものの、10月以降5連勝中)からですね。
同じ勢いなら、下位から巻き返しを図り、4位に入った山形が対抗馬になるでしょう。もしくは最後の最後に滑り込んだ仙台か。長崎の勢いを止められたら、一気にJ1に進むことになるでしょう。
岡山は2016年・2022年に次ぐ3度目のプレーオフとなりますけど、初戦突破できるかどうかというレベル。ただ、岡山はホームでもアウェイでも仙台を破っているだけに、侮れない相手とも言えます。3度目の試合でも仙台を破ると・・・。


J2昇格プレーオフは、カターレ富山、松本山雅FC、FC大阪、福島ユナイテッドFCの4チームになり、富山×FC大阪、松本山雅×福島となるのですが、初めてのプレーオフになる中で、一番有利なのは、意外にも松本山雅になるのかなと。
というのも、過去J2時代にプレーオフを経験しているからですね。プレーオフの何たるかを知っている選手がまだまだいるのとポテンシャルの高さ、そして何よりホームでもアウェイでも恐ろしいサポーターの動員力があります。ただ、調子に波があり、ここぞという時に勝てないシーズンだったので、福島には1敗1分というのもあって、気が抜けないでしょう(ただし1分はアルウィンでの試合なので、負けない試合を展開できれば勝ち抜けられると思われ)。
その次に来るのは、富山になるでしょう。シーズンを安定した戦いで切り抜け、天皇杯やルヴァンカップで上位カテゴリーのチームを苦しめた実績を持っています。ただ、今年も秋風が吹く頃に失速病を罹患しており、抜けきっていないのが気掛かり。それでも3位に着けたことから、引き分けでもいいという割り切った戦いをできるようになれば、富山の10年ぶりのJ2復帰も夢じゃないかなと。
ダークホースは、福島でしょう。終盤の戦いっぷりもさることながら、松本山雅との相性はいいのもある。さらに富山のホームで勝った数少ない相手でもあるので、勢いが付くと止められないでしょう。後輩のいわきFCに抜かれた悔しさもあって、初めてのJ2を狙ってくると思います。


一方で、入れ替え戦も行われます。J3・JFL入れ替え戦とJFL・地域リーグ入れ替え戦がそれにあたります。
J3・JFL入れ替え戦はホーム&アウェイの方式で行われ、今回はJFLのホームでの開催になります。
通算成績ないしは2試合の合計得点で勝敗が決まり、通算成績なら2勝したチームの勝ち、同成績ならどちらかの得点の多いチームが勝ちになります。ただし合計得点が同じ場合、2試合目終了後に前後半15分・計30分の延長戦で雌雄を決します。それでも決まらない場合は、5人制のPK戦となり、さらに決まらなければサドンデスで勝負となります。
そのJ3・JFL入れ替え戦は、J3を19位で終えたY.S.C.C.横浜とJFLを2位で終えた高知ユナイテッドSCとなりました。Y.S.C.C.は攻撃力は高いものの、守備力はザルな部分が多いのに対し、高知は守備力が高く失点がJFLでは最少なものの、スカッドが無いため、双方互角と言いたいところですけど、第1戦が高知のホームである春野総合運動公園陸上競技場ではなく、香川県丸亀市にあるカマタマーレ讃岐のホームになるPikaraスタジアムになったんですね。
こうなると、Pikaraスタジアムでの使用経験のあるY.S.C.C.が選手もサポーターも含めスタジアムの特性を知っているので、俄然有利高知は引き分けを狙った戦いができないため、攻める展開で終始いかないといけなくなりました。普段採らない戦略で戦えるか。そして勝てるかが高知のカギになるでしょう。ただ、高知は県民総力での応援が大きな後押しになっているだけに、Pikaraスタジアムにどれだけ動員できるかもポイントになってくるでしょう。


もう一つの入れ替え戦であるJFL・地域リーグ入れ替え戦ですが、レギュレーションは一緒なものの、唯一違うのは、JFLのチームのホームでの一発勝負になる点ですね。J3・JFL入れ替え戦以上に上位カテゴリーのホームが有利になります。
そのJFL・地域リーグ入れ替え戦を戦うのは、JFLで15位に終わったミネベアミツミFC(九州)と全国地域サッカーチャンピオンズリーグで2位になったVONDS市原FC(関東1部)になります。
実は、どちらも入れ替え戦を戦った経験があり、市原は昨年JFLの沖縄SVと戦っています。延長戦までもつれ込んだものの、沖縄に惜敗し、関東1部に残留しています。
一方でミネベアはホンダロックSC時代に戦っており、相手はFC岐阜だったんですね。当時東海1部だった岐阜は、2006年にホンダロックとの入れ替え戦(当時はホーム&アウェイ方式)に臨んでおり、連敗で九州リーグに落ちています。つまり双方いい経験を積んでいない中での戦いになります。
そうなると、2年連続で戦っている市原が、地域CLでの大どんでん返しをやってのけてることから勢いがあるように見えます。一方で最終盤でやられたミネベアがホームで巻き返せるかがカギになるでしょう。


昇格プレーオフの第1試合は14時(長崎×仙台のみ13時5分)にキックオフ。J3・JFL入れ替え戦の第1試合は13時キックオフ。JJFL・地域リーグ入れ替え戦は12時キックオフになります。
配信ですが、J1昇格プレーオフはDAZNのみ、J2昇格プレーオフとJ3・JFL入れ替え戦はDAZNとLeminoで行われます。JFL・地域リーグ入れ替え戦はYouTubeにあるJFLの公式チャンネル(JFL Official Channel)で配信されます。なお、JFL・地域リーグ入れ替え戦以外は、NHK(総合テレビ)での放送もあるそうなので、Jリーグの公式サイトないしはNHKの各放送局の番組表でチェックして下さい。


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Posted by alexey_calvanov at 23:20Comments(0)

2024年11月26日

大どんでん返しのあったアマチュアリーグ2024

Jリーグの戦いはJ1がクライマックスを迎え、J2はプレーオフ、J3はプレーオフとJFLとの入れ替え戦が控えている中、アマチュアリーグでは大きな動きがあったようです。


まずJFL。既に上位が最終節を前に決まっており、栃木シティFCが首位でJ3への参入を決め、2位になった高知ユナイテッドSCがJ3で19位に終わったY.S.C.C.横浜との入れ替え戦に進みます
一方で最後まで決まらなかったのが残留争いで、今年はソニー仙台FCが今年で活動を終了することになったため、最下位が地域リーグとの入れ替え戦に臨むことになります。
ミネベアミツミFC・クリアソン新宿・横河武蔵野FCの3チームに絞られていた残留争いは、最終節で15位だった新宿と16位だった武蔵野がいずれも引き分けた一方で、ミネベアミツミは最終盤に失点を喫したことで最下位が決定。地域リーグとの入れ替え戦に進みます。
思えば、JFLに所属している今年の企業チームは、どこも厳しい状況になっており、Honda FCの7位が最高で、活動終了の決まっているソニー仙台が12位、FCマルヤス岡崎が13位、そしてミネベアミツミが16位と惨憺たるものになっています。モチベーションの維持に難儀しているのではないかと思われてならないのですが、それでもHonda FCは上位に君臨し、門番の役割を果たしているのですから、一時的なものだと思いたいです。

そして地域リーグは、全国地域サッカーチャンピオンズリーグが行われました1次ラウンドが11/8~11/10に、決勝ラウンドが11/20~11/24(試合日は11/20・11/22・11/24)に開催されました。
1次ラウンドは、各地域リーグで優勝した9チーム(北海道十勝スカイアース・ブランデュー弘前FC・VONDS市原FC・福井ユナイテッドFC・FC.ISE-SHIMA・飛鳥FC・福山シティFC・FC徳島・ヴェロスクロノス都農)と全国社会人サッカー選手権に勝ち進んだ3チーム(JAPANサッカーカレッジ・ジェイリースFC・FC刈谷)によって行われ、それぞれ4チームずつ3会場に分かれて行われた結果、Aグループ(ジェイリース・都農・FC徳島・FC.ISE-SHIMA)はジェイリース、Bグループ(市原・飛鳥・刈谷・弘前)は市原、Cグループ(福井・福山・十勝・JSC)は福井がそれそれ決勝ラウンドへ、3会場の中で最も得失点差の多かった飛鳥がワイルドカードで決勝ラウンドに進出しました。
決勝ラウンドは、福井が2試合終えた時点で首位に立ち、市原が最下位に沈んでいた状況下の中、その2チームとの直接対決が最後の試合に組まれ、その結果、市原が6点(福井は3点)を取る大勝利となり、得失点差で市原が2位、福井が3位に転落し、先の試合で勝っていた飛鳥が得失点差マイナスながらも2勝を挙げていたことで1位に躍り出てる結果となりました。これにより、飛鳥が初のJFL昇格、市原が2度目のJFLチームとの入れ替え戦に挑むこととなりました。過去最高の結果に終わったはずの福井が、まさかのJFL行きならず。思えば、失点数が多かったのが響いたのかな・・・。1次ラウンドの立ち回りが見事だった(1勝2分ながらも無失点で切り抜けていた)だけに、決勝ラウンドでなぜできなかったのかが今後の課題になってくるのでしょう。


これに伴いJFL・地域リーグ入れ替え戦はミネベアミツミ(九州)×市原(関東1部)になりますが、関東圏の地域リーグの人達は、リーグ全体に影響を与えかねないくらい激戦区なので、市原に勝ってもらわないと・・・と思っていることでしょう。九州リーグの人達も、強豪が揃い踏みなので、ミネベアミツミには落ちてきてもらいたくないと思います。


J3・JFL入れ替え戦は、12/1に香川県丸亀市にあるPikaraスタジアム(高知のホーム扱いで開催)で13時、12/7にニッパツ三ツ沢球技場で15時にそれぞれキックオフになります。DAZNとLeminoでの配信が決定しており、高知県の方は12/1の試合のみNHKでの放送が決まっています

JFL・地域リーグ入れ替え戦は、12/1にひなた宮崎県総合運動公園ひなた陸上競技場で13時キックオフになります。こちらの入れ替え戦は一発勝負で、JFLチームが有利なレギュレーションになっています。放送はYouTubeのJFLチャンネルで配信されます。


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Posted by alexey_calvanov at 23:09Comments(0)