日本の携帯電話なりインターネットなりは、津々浦々とは言っているものの、たいていは人口カバー率の下で『津々浦々』と述べていることがほとんどです。要は、人の住んでいないところには電波は飛ばないというふうで、特に島しょ部や山間部で電波の飛ばない状況を味わう方が多いのではないかと思います。
しかし、これが衛星通信になれば、本当の意味で全国の至る所で電波を受信することができます。本当の意味で津々浦々になるのです。
一昔前なら、夢のような話・・・で片付けられてしまっていたでしょう。しかし、最近は現実的なものになっているのです。
それが、スペースX社が提供している「Starlink(スターリンク)」というもの。高度550kmの低軌道上に配置された数千機の周回衛星が全世界を網羅しており、低遅延・高速通信を実現しています。世界20か国ほど(2024年現在)で利用可能になっていますけど、「Starlink」を有名にしたのが、ウクライナ侵攻で、ロシアによって通信網が断絶させられた時、ウクライナ政府に無償で貸し出されたことで話題になりました。
ある意味手のひらに高速通信がいつでも使えるとも言えるものが、日本でも個人利用ができるようになりました。日本ではKDDI(au)が提供することになり、「Starlink Standard Actuated Kit」として販売されます。当面はauのオンラインショップのみで購入可能となりますが、au Style・auショップと全国のKDDI直営店で実物を拝むことも可能です。
このセットは、アンテナとWi-Fiルーターからなっており、光通信の設置ができない島しょ部や山間部で威力を発揮するものと思われます。またみぞれ・豪雨・強風などの環境下でも利用できる耐候性もあるとのことなので、前述の場所に設置しても壊れることは少なくなりそうです。
まだまだ値段が高い(55,000円)とはいえ、耐久性の高さを考えれば、コスパは高いのかもしれません。どのくらい通信精度がいいか試せるレンタル制度を設けておけば、利用速度が上がりそうな気がしますけど、いかに。