2013年07月31日

また一つ巨大なメーカーが消える

ケータイユーザーにとっては大きな事態になるのでしょうか。
NECが携帯電話事業の事実上の撤退を決めました。今回撤退するのは携帯電話事業のスマートフォン部門。いわゆるガラケーと言われる一般的な携帯電話(フィーチャーフォンとも)・タブレットは採算が見込める(早い話が国内のみの展開だった)ため現状継続となっています。
今回撤退するのはNECが出資する子会社NECカシオモバイルコミュニケーションズ。NECだけでなく同じく出資するカシオ・日立のケータイも撤退を余儀なくされます


NECといえば、かつては日本で最大のケータイ事業者でもありました。
スマートフォンが本格的に利用される前は、後にシャープが勢力を伸ばしても、NTTドコモの主要メーカーとして君臨し、一時はパナソニックと共に寡占状態を築いていましたカシオに関してもauで京セラに次いで大きな存在を示していました。しかし、スマートフォン登場後は海外メーカーの隆盛もあって、徐々に存在感を失っていきました
NECが携帯電話事業の撤退を決めたと思われるのは、かつての盟友NTTドコモの裏切りとも取れるツートップ展開だったのではないのでしょうか。この措置でNTTドコモはソニーとサムスン電子の機種を優遇するようになり、他のメーカーは一転窮地に立たされてしまいました。また、この措置でパナソニックも撤退を検討する事態にまで陥っているのは、昨今の報道でご存知の方もいらっしゃることでしょう。

NECは今後を見据え、中国のメーカーであるレノボ(聯想)との売却交渉を行っていましたが、レノボサイドは魅力的ではない判断し、合意には至らなかったようです。


今回のNECの撤退で、国内のケータイはますます多様性を失い、ますます海外メーカーが隆盛を維持することになるようです。特にiPhoneシリーズが売れているアップル、NTTドコモのツートップ戦略に乗っかったサムスン電子は今後ますます勢いに乗って国内シェアを奪っていくことでしょう。


特に国内では、ケータイの多様性を維持するためにも、国内メーカーはオリジナリティ、つまり日本産のケータイだからこそできる機能を充実させ、ユーザーの顧客満足を高めていくしかないのではないかと思っています。
いずれにせよ、NECの撤退は残念で、日本の携帯メーカーが同じような結末をたどらなければと思っています。


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Posted by alexey_calvanov at 23:18Comments(0)TrackBack(0)

2013年03月30日

国産携帯電話製造事業者の憂鬱

NEC・日立・カシオが設立した合弁会社NECカシオモバイルコミュニケーションズ中国のPCメーカーレノボ(中国聯想(れんそう))に売却することを検討していることが明らかになりました。
レノボは元々中国の国営機関から設立された会社で、香港を拠点にした後にアメリカに本社を移行世界にPCを販売する会社となりました。中国内でのシェアはトップ、海外の市場シェアもトップになっています。
日本進出は2005年。日本IBMの事業を買収することで設立されました。日本進出後はNECとの合弁会社を設立し、NECのPC事業を統合するまでに至りました。今回のケータイ事業売却検討に至ったのも、この経緯があったからではないのでしょうか。

しかしながら、日本ではシェアトップになっていたNECがまさかここまで追い詰められることになるとは10年前には考えられなかったことですよ。私がケータイ事業に関わったのがそのくらいの頃ですから。


そうなったのも全てスマートフォンの隆盛によるもの日本では当初あまり流行らなかったスマートフォンも、アップルのiPhone発売以降急激に変わり、猫も杓子もスマートフォンになっていったわけです。さらにAndroid開発が進んだことで、今日有名になった海外の大手が急成長を遂げています韓国のサムスン電子・LGがその代表例でしょう。


対して、日本のケータイ市場は、ガラパゴス化が進んで以降、徐々にその隆盛が衰えることとなりました。確かに1990年代後半にもデンソーやパイオニアをはじめとしてケータイ市場黎明期から作り続けていた会社が消える事態もありましたけれども、ガラパゴス化が進んで以降の撤退は長年作っていた会社が消えているというふうなので、事態は深刻です。
三菱電機のケータイ事業撤退を皮切りに、京セラの三洋電機ケータイ部門の買収、先述のNEC・カシオ・日立の合弁会社設立、富士通と東芝の事業統合、ソニーとエリクソンが合弁で設立したソニーエリクソンの解体に至るまで日本企業にいい話は舞い込んで来ません。さらに国内シェアトップをNECから奪い取ったシャープでさえも本体の苦境に併せて苦しい立ち位置に立っていますし、NECとドコモに関してはユーザーインターフェイスを統合しているパナソニックでさえも同様の立ち位置になっていると言っていいでしょう。その間隙をぬって、アップル・サムソン電子・LGだけでなく、ファーウェイ(華為電子)やHTCが参入し勢い付いているのは、最近のケータイ市場を見れば明らかなところです。


今後日本市場ないしは海外市場で日本メーカーに活路はあるのかというと、正直難しいところでしょう。それこそ、海外メーカーができないオリジナリティを確立するだけでなく、安く提供できることも重要なのではないのでしょうか。あとは新興国の人間が興味を持ってもらえるようなケータイ作りをしていくことも重要になっていくのではないのでしょうか。


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Posted by alexey_calvanov at 21:30Comments(0)TrackBack(0)

2011年05月28日

夏の新機種2011 ドコモ編①

夏の新機種が出揃い始めましたが、今回は東日本大震災の影響で、ソフトバンクが今回大規模な発表を行わないというふうにしたため、ソフトバンクの新機種の全容がいまだに見えてこないので、いつ始めればいいんだろうと思ってたら、既に一部機種の発売が決まり、販売も始まっているので、始めていこうと思います


とりあえず、今回は先に発表のあったドコモから。その次にau、そして大規模発表を行わず小出し状態のソフトバンクの順番で行きたいと思います。

ドコモに関しては、今回も本格的にスマートフォンを出してきました内容としてはAndroid端末が圧倒的なものの、BlackBerryといった独自OSのものやWindows 7を利用したケータイも久しぶりに登場しました。
一般的なケータイも登場し、今回初めてカシオから機種が登場します。恐らくNECとの関係で出すことになったと思われます。既にauやソフトバンクで実績を積んでいるだけあって、どういう評価をされるのかが気になるところです。
データ端末もドコモの次世代機LTE(第3.9世代)になるXi対応機種が本格的に登場します。

なお、今機種から全てSIMフリー端末となるため、端末だけ買って他の携帯会社のSIMカードを挿し込んで利用することも可能になりました(ただし、構造の違うauは利用不可)


では新機種の紹介です。今回はNEC系とソニー系の紹介から。


1:MEDIAS WP(N-06C)
薄さ7.9mm(最厚部9.9mm)のストレートタイプのスマートフォン。NECが展開するMEDIASシリーズの一つ。OSはAndroid2.3で、IPX5/IPX7相当の防水機能、下り最大14MbpsのFOMAハイスピードを搭載している。

個人的感想
春モデルの隠し玉で登場したMEDIASのマイナーチェンジ版。基本的な機能はMEDIASと同じ。ワンセグや赤外線通信、おサイフケータイ機能など日本独自の機能もMEDIASの時と同様に残している。
そのため、スマートフォンを始めて使う人にはわかりやすい機種になるかと思うが、カメラ機能が510万画素しかないところが残念なところ。


2:Xperia acro(SO-02C)
海外で主に展開されていたストレートタイプのスマートフォン。ソニーエリクソンが展開するXperiaシリーズの一つ。OSはAndroid2.3で、CPUはSnapdragon「MSM8255」を搭載している。
4.2インチフルワイドVGAの大型液晶を搭載し、ワンセグや赤外線通信といった日本独自の機能も搭載ないしはインストールされている。

個人的感想
海外でも日本でも人気の高いXperiaシリーズの新作。海外でも評価の高い機種として知られているそうです。
残念ながらゲーム機能を搭載したXperiaではなかったものの、日本市場で売るためのマーケティングを積み重ねていると感じさせられる。
個人的には、カラーリングの素晴らしさとmicroSDをカバーやバッテリーを付け外しなくても抜き差しできるのがいいかと。


3:P-07C
4.3インチの大型ディスプレイを搭載したストレートタイプのスマートフォン。OSはAndroid2.3。
機種を片手で使えるよう配慮され、「タッチスピードセレクター」では、回転させながらメニューを選ぶことが可能になっている。

個人的感想
大きなディスプレイであるものの、スピードセレクターからアレンジされたタッチスピードセレクターでその大きさや使いにくさを感じさせなくなるだろうと思う。
ワンセグは搭載されているが、赤外線通信が搭載されていないのは少々残念なところ。


次回はドコモのスマートフォンが続きます。


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Posted by alexey_calvanov at 23:25Comments(0)TrackBack(0)