2016年02月17日

高校野球の名門が休部へ

大阪にあるPL学園が今年の夏の甲子園までで活動を休止することが明らかになりました。かねてから部員募集を停止し、事実上の休部になっていました。


PL学園と言えば、甲子園優勝春夏併せて7回を誇る強豪校。中でも1980年代(特に1985年と1987年)の圧倒的なチーム力は今後現れることはないでしょう。もちろん、そこからプロ野球選手になった球児達も多く、桑田真澄さんや立浪和義さんなどがその代表例でしょう。

しかし、2013年に起こった暴力事件によって対外試合処分を受けてから転落の一途をたどります。
当時の野球部監督が辞任し、その後は野球部の経験のない校長が監督を行うことになりました。外部招聘(しょうへい)していれば少しは変わったかもしれませんが、PL学園は原則として学園を運営するPL教団の信者でなければ監督になれないそうで、内輪で回すというふうになってしまったそうです。そのため、野球部員が実質監督になってチームを回すという事態がニュースなどで話題になったほどです。
この暴力事件以降、2014年10月からは部員募集を停止。当然ながら部員は減少し、弱体化。2015年の秋(2016年のセンバツ高校野球、いわゆる春の甲子園)の大会では初戦敗退になりました。

2016年4月からは3年生になった12人で戦うことになります。そして監督を務めていた校長も2016年3月で定年を迎える(暴力事件以降監督を兼任していた前の校長もPL教団への転籍のため退任)ため、高校時代は剣道部に在籍していたPL学園職員が就くことになります。しかし、この新生PL学園野球部も部員募集は停止されたままになっているので、先述の通り、夏の甲子園で活動休止となります。今後野球部員の募集が停止されたままになる場合は、休部ないしは廃部の可能性もあります。


実は、この野球部で起こった暴力事件以降、野球部専門の学生寮の廃止や厳しい上下関係の撤廃などの改革を行っていったのですが、それにもかかわらず募集停止になってしまったことで、受験者数が激減PL教団への入信者の減少や受験環境の変化も相まって現象への歯止めが掛けられず、学校そのものも存続の危機に立たされています。また今年起こった学園OB清原和博容疑者の覚せい剤取締法違反での逮捕も学園にとってはマイナスになることでしょう。


名門野球部が無くなるかもしれない事態は残念でならないです。大阪は特に強豪校が多いので、再生するにも大変でしょうけど、やはり何らかの形で復活してほしいものと願います。そしてPL学園は、存続の意味も含めて、閉鎖的な環境を打破し、周囲から受け入れられるようにすべきだと思います。


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Posted by alexey_calvanov at 23:20Comments(0)TrackBack(0)